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コンテンツ掲載日:1999年11月15日
最終更新日:2007年02月20日

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◆製作の姿勢など

私のように特定の民鉄電車、とりわけ関東や関西の大手民鉄以外の車両を作ろうとしている者にとって、メーカー各社から出ている製品ではなかなか満足のできるパーツが供給されているとは言いがたいものがあります。その最たるものがクーラーなどといった屋上機器です。
反面、床下機器類については流用可能なパーツが豊富にあります。しかし最近の床下パーツは細密さをセールスポイントにしているため、これらを購入すると製作費のコスト高を招いてしまいます。また、別項で述べているように、比較的あっさりとしたディテールの作品を心がけているために、これらの細密パーツを使用することによって作品のバランスが崩れてしまう恐れもあります。
それゆえに私は、前者についてはパーツの供給がないこと、後者についてはコストダウンとバランス感覚の維持を目指すことを理由に、可能な限り自作を心がけています。
なお、近年ではレジンモールドによるパーツの量産が個人ユーザーのレベルでもできるようになりました。特定の部品を多量に作る必要がある場合には、有効な方法でしょう。ただし私のように比較的短編成の車両を製作する場合は、型の製作にかかる手間と、成型品の仕上げ(気泡などの穴埋め)の手間や、排出するゴミの量や質までをも考慮すると、多少面倒でも一つ一つのパーツを自作していく方が割に合っているのかもしれません。
ここでは、最近の車両に多く見られる冷房装置(クーラー)の製作を例に、その製作方法を紹介します。私の屋上機器の製作方法は幾多の変遷を経て、現在ではこれから説明する方法で作っています。使用する材料として車体と同じペーパーを主体とし、車体とほぼ同様の組立と仕上げの工程を経て完成させています。
すなわち、ケガキ→切り出し→内張り→組立・補強→仕上げ→塗装→完成という手順です。ただし車体と異なり、一部の工程を仕上げ後に行っています。これは工程をこなしやすいことからそうしているものです。
それでは順番に始めていきましょう。

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■ケガキと切り出し

まずは、製作したい機器の形に合わせて展開図を求めます。
次に、材料となるペーパーにケガキを行います。
続いて部品の外周に沿って切り出しします。屋根の肩に当たる部分には、折り曲げをスムーズにするために、カッターナイフで軽く切り込みを入れた後に曲げ癖をつけておきます。
曲げ癖のついたパーツには内張りを接着します。この内張りは、完成したパーツを表から見た場合に通気口らしく見えるよう、鉄筆などを使ってそれらしくスジ入れをしておくと良いと思います。この内張りはいくぶん大きめのサイズにカットしておき、接着後に不要な部分をカットしています。その方が作業はやりやすいです。下の写真では、ここに述べた工程を向かって左から順に再現したものです。

切り出しを終え、内張りの接着されたパーツ
切り出しを終え、内張りの接着されたパーツ

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続いて、天井部分の内張りも接着します。天井部分はゆるいカーブを描いていることが多いのですが、これは内張りをした後に、塗料ビンなどにパーツを押し当てて曲げ癖をつけて表現してやります。下の写真では、その様子を示しています。

パーツの天井部分に曲げ癖を付けているところ
パーツの天井部分に曲げ癖を付けているところ

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■組み立て

パーツを正面から見た場合にきれいな台形となるように、部品の内側に台形状のスペーサーを接着します。
さらに妻にあたるパーツを接着し、台形上の断面からはみ出した部分についてはカットしておきます。下の写真では一連の工程を左から順に示しています。

パーツの組み立てを行っているところ
パーツの組み立てを行っているところ

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パーツの下の部分(車体の屋根と接着する部分)には、後になって台座となるパーツを取り付ける必要があるため、下の写真が示すように240番程度のサンドペーパーを巻いた屋根板の上で部品を平行に動かすように研いで接着面を整えておきます。
ここまでの工程において発生した隙間や段差などは、この段階までにパテを盛るなどしてきれいに消しておくと良いでしょう。

パーツの下周りを整える
パーツの下周りを整える

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下の写真は、パーツの取り付け台座に表現された取り付けボルトの頭をそれらしく再現しているところです。これはカッターマットの上に置いたパーツを、ボールペンの芯の先端で押して表現しています。

 

パーツの取り付け台座の加工
パーツの取り付け台座の加工

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ひととおり仕上げの済んだパーツの上回りと、台座を接着します。下回りはゆるいカーブを描いているので、下の写真が示すように屋根板の上で接着を行うと作業がやりやすいです。

パーツの上回りと、台座を接着するところ
パーツの上回りと、台座を接着するところ

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接着が済んだら、台座の四隅を丸ノミで丸く切り落とします。これでパーツの組み立ては完了となります。その後は、車体と同様の下地仕上げを行い、きれいなパーツに仕上げていきます。

台座の四隅を丸ノミで丸く切り落とすところ
台座の四隅を丸ノミで丸く切り落とすところ

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