窓抜き・内張り
コンテンツ掲載日:1999年10月22日最終更新日:2007年02月20日
◆窓抜きの方法について
電車や客車など、いわゆる「箱もの車体」に特徴的なのが、車体側面にずらりと並んだ窓や扉の数々。これらをきれいに切り抜くことは、美しい車体作りの秘訣の一つと言えるかもしれません。 ここでは、私が行っている窓抜きの手順を説明することにしましょう。
■基本的な方法
下の図は、隅にRの付いていない、もっとも基本的な形をした窓の抜き方を示しています。 窓を抜くときには必ず定規を用い、これを利き手とは反対側の手でしっかり保持します。窓を抜くためのカッターナイフの刃を走らせる向きですがは、自分に対して斜め45度(右下がり)にした状態で向こうから手前の方に持って行くような感じになります。定規は切り残す側に当てた方が、刃を入れた際の素材のカエリが少ないので無難です。 カッターナイフの刃は、常に切れ味の良い状態にしておくことが大切です。一度に切り終えてしまおうと思わないで、一箇所につき2〜3回刃を走らせて切り終えるような感じでいくと良いと思います。 四隅を切り終えた際、隅に切り残しが生じる場合があります。その場合はその部分に刃先を差し込むような感じで軽く押してやるときれいに抜けます。 旧型電車などを作る際には、後述する内張りにおいて二段窓を表現することも多くなりますが、その方法についても同様です。
基本的な窓抜きの方法
■R付きの窓の場合
新型の特急電車やHゴムのついた車輌にはR付きの窓が欠かせないものとなっています。そうでなくとも側扉の開口部上部には必ずといってよいほど隅にRがつけられています。 こうした部分の抜き方は、先に述べた「基本的な方法」を踏まえた上で、下の図のようにR部分を避けて、直線部分にカッターナイフを入れたのち、丸ノミで隅をつなぐようにして切り抜きます。
Rの付いた窓を抜く方法
◆窓抜きの際の注意点
ケガキ線の部分には時として、筆圧のためにスジが残ってしまう場合が多々あります。そこで私の工作法ではケガキと窓抜きを行った面を裏返し、裏側が車体の外側になるようにしています。その状態を示したものが下の図です。それゆえに、注意点としては、車体側面や前面が左右で非対称になっている車両(旧型国電や伊豆急行2100系など)を作る際には、ケガキの段階からそのことを踏まえて、左右の向きを逆にしてケガくことが必要とされる場合もあります。
窓抜きが終わり、ケガキした面を裏返した状態(イメージ)
◆内張りを接着する
「内張り」とは、文字通り外板の内側に貼り付けられる板材のことを言います。 内張りには、窓抜きを行うことで、ドア窓や段付き窓などを表現したり、窓抜きを行わない部分については、外板と接着されることによって車体を補強する役割を持っています。 下の図が示すように内張りには、特にケガキをしないまま、いきなり外板に接着しています。ただし、実物で言うところの、ハメ殺しになっているような窓がある場合には、接着前に内張りの方にも窓抜きを行います。
内張りを接着した状態(灰色部分が内張り)(イメージ)
◆内張りへのケガキ
内張りの接着後、乾燥していることを確認したら、下の図のようにドア窓や段付き窓のケガキを行います。この場合は、車体外側に直接ケガくことになりますので、筆圧で車体にスジを付けてしまわないように、注意します。(もしもスジが付いてしまったら、パテで修正しましょう。)
内張りにケガキを入れた状態(イメージ)
◆内張り部分の窓抜き
失敗は許されません。ここでも位置ずれが発生しないよう、窓抜きを慎重に行いましょう。下の図は、内張りの窓を切り抜いた状態を示しています。
内張りの窓を切り抜いた状態(イメージ)
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