|
名古屋鉄道7000系(その4) |
|
コンテンツ掲載日:2007年02月20日 最終更新日:2007年02月20日 |
その1|その2|その3|<<その4>>|その5
|
|
◆クーラーとベンチレイターの製作
初期の冷房車両の特色は、国鉄157系や京王5000系のようにズラリと並んだ小型分散型クーラーにあります。名鉄パノラマカーにあっても、初期に製造された車両の空調装置に関する設計思想は、わが国初の大衆冷房車である5500系のものを引き継いでおり、例外ではありません。先頭車で1両あたり6個、中間車で8個、その他の機器も数に入れると1両平均で15個もの屋上機器のパーツを作らなくてはなりません。市販品の利用ができないから、さあ大変です。
まず、クーラーについては、切り出した木材の周りをぐるりと取り囲むようにして紙製パーツを接着しました。天井部分については先述のパーツに少し大きめの紙を接着した後、パーツ側面の輪郭に合わせるようにしてカットして、パテとラッカーサフェーサーによる仕上げを行いました。側面および妻面に付いている吸排気口は、鉄筆で筋入れをした紙を接着して表現しました。
ベンチレイターは、1両あたり4〜6個付いている片側ガーランドタイプのものについては、形が多少違いますが、エコーモデルの市販品を、屋根の肩付近に左右交互に並んでいるタイプのものについては、ヒノキ材の成形によって自作しました。
|
|
【写真44】 屋上クーラーの組み立てを右から順に示す。
|
|
【写真45】 さらに屋上クーラーの組み立てを右から順に示す。
|
|
◆金属製床板の加工
仕事に忙殺されていたことと、今度は私自身の体調不良が重なってしまったため、2か月近く製作が中断してしまいました。夜は、全くもって工作する気が起こりませんでした。
「ペーパーボディーには木製床板」というのが鉄道模型界では一般的なようで、私と初めてお会いする方は皆、「床は金属ですよ。」と話をした途端、一様に驚かれます。別項でも書いてあるように、私は床下機器のパーツも原則として重量の軽い木材から自作しているので、走行安定性確保のためには、床板を一定の重量を持った金属性にしておいた方が何かと都合が良いのです。また、製作コストを極力抑えることをモットーとしていますので、その素材は、父の勤務先で発生する廃材(鉄板)です。コスト軽減のついでに手間も省きたいので、こちらが指定した寸法にカットして「納品」してもらいました。
納品された鉄板には、日光モデル製のセンターピンやエンドウのMPギヤシステムが取り付けられるように、電動ドリルで所定サイズの穴あけをしました。マンションの中ではドリル加工の騒音や振動が下の階や隣室まで響いていかないか、毎回ドキドキの連続です。
加工の終わった鉄板は、油汚れを洗浄し、乾燥後直ちにサビ止めを兼ねてプライマーを塗っておきました。
|
|
【写真46】 鉄板を使用した床板の穴あけを終えたところ。
|
|
◆車体の最終仕上げと塗装
車体の最終仕上げに入る前に、塗装作業が完了した時に屋上機器の取り付け位置が判別できるよう、車体側に穴を開けたり、取り付け位置のガイドを設けておきました。
本塗装の前には、最終的な確認を持たせる意味でサフェーサースプレー(グンゼのNO.1000)を一吹きしました。仕上げ作業のやり残しが見つかった場所についてはパテを充填するなどして、手ぬかりのないようにしておきました。
その後、本番塗装を迎えるまでの間に切り抜き文字の接着や、屋上配管の取り付けを行いました。塗装については、塗り分けのパターンにもよりますが、1〜2日を要します。たいていの工程は、仕事が終わって帰宅後の一息ついた時間帯でこなすことが可能ですが、塗装だけは日中に時間を確保して行わないといけません。特に所帯持ちになってからは、塗装の日取りを捻出することが独身時代に比較して、ぐっと難しくなってきました。「所帯持ちにとって、休みの日は休みのようで実は休みではない」とはうまいことを言ったものです。塗装作業を行う日取りを決めたら、その日までにやり終えておかないといけない工程はすべて完了させる、という気持ちで、作業が深夜に及ぶこともたびたびでした。製作中、辛さを感じた時があったとすれば、まさにこの間がそれにほかなりません。
いよいよ、塗装の日がやってきました。自作した専用の塗装台に車体を乗せ、スカーレット、グレーの順に塗り分けていきました。今回製作のパノラマカーは、一般使用の帯なし車ですから、比較的早くに塗装は終了。製作日程上の一番のヤマ場を無事に乗り越えることができました。
|
|
【写真47】 屋上機器の取付位置を決めておいたところ。
|
|
【写真48】 屋上機器の取付位置を決めておいたところ。
|
|
【写真49】 塗装台に乗せて、最終仕上げにサフェーサースプレーを吹き付けたところ。
|
|
【写真50】 最終仕上げ後、エアホース、プロント・アイ等のディテールを表現する。
|
|
【写真51】 最終仕上げ後、屋上配管等のディテールを表現する。
|
|
【写真52】 本塗装の開始。
|
|
【写真53】 塗装を待つ屋上機器群。
|
|
【写真54】 屋上部分を残してマスキング。
このページのトップへ
|
|
その1|その2|その3|<<その4>>|その5
|