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名古屋鉄道7000系(その1) |
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コンテンツ掲載日:2007年02月20日 最終更新日:2007年02月20日 |
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◆車輌概説
第二次世界大戦、そして伊勢湾台風からの復興から一段落ついた1961年(昭和36年)、名鉄7000系パノラマカーは、これまでのわが国の鉄道車両が実現し得なかった前面展望を売り物に、さっそうと登場しました。運転士気分が味わえる前面展望座席はもちろんのこと、車内が大変明るくて見晴らしの良い連続窓、そして、まばゆいばかりのスカーレット一色のボディーは、当時の数ある名鉄車両の中でもひときわ映え、登場から半世紀近くを経た今日になっても決して色あせることなく、名鉄不朽の名車としての地位を築いています。
その後、出力を増強した7500系や、支線区への特急列車網の充実にともなって増備された仲間が登場しました。また、同僚には特急専用車両として車体に白帯を巻き、内装を充実させたものも登場しました。現在では惜しまれつつも全ての車両が特急運用から退き、各線でのローカル運用が主な任務となっています。廃車そして解体という運命をたどった仲間も多数に上りますし、2010年(平成22年)度までに全車廃車という残念なニュースも発表されましたが、運転士気分の味わえる展望座席は、昔も今も子どもたちの人気の的です。私自身もずいぶん楽しい思いをさせてもらいました。
そんな7000系パノラマカーを、21世紀の最初を飾る私の鉄道模型作品として製作しました。新世紀のスタートである2001年は、実物がこの世に姿を現してからちょうど40年目にもあたります。そんなわけで、名鉄電車を愛し、その模型づくりを生きがいとする私自身にとっても、今回の7000系パノラマカーの製作は、大変に意義深いことであると思っています。
写真撮影・提供:佐藤哲也様
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◆車体のケガキと窓抜き
いままでに製作経験がなく、全く新しい構想で製作に取り組むことが必要な車両の場合は、実際の製作に取り掛かる前に、組み立て方法を頭の中で思い描いてみたり、テストピースで試作したりするなどの思考時間がかなり必要とされます。しかし、今回の場合は、基本的な寸法そして組み立て方法について、過去の製作事例をそのまま参考にすることができました。そのため、何ら迷うこともなく、すぐさま製作に着手することができました。「21世紀最初の鉄道模型作品、それもパノラマカー誕生40周年を記念した作品にしては、スタートがあっけないんじゃないの?」という気がしないでもありませんが、まあ良しといたしましょう。
車体構成は、厄介な継ぎ目処理の箇所が少なくて済む、側板と屋根板が一枚の紙から構成されるペーパールーフ工法を採用しています。車体の素材であるペーパーには、外側(外板)がいさみやロコワークスの車体製作用方眼紙(t=0.4)で、内側(内張り)は地元のベテランモデラーが分けて下さったアート紙(t=0.3)を用いました。まずは、車体の外側のケガキから着手しました。ケガキは方眼紙のマス目が印刷された方の面に行います。ケガキ終わった外板は、屋根の肩に当たる部分に1mm間隔でカッターナイフを使って軽くスジを入れ、その後に車体の外周をぐるりと切り出しました。切り出した車体は、屋根の肩の部分がスムーズに曲がってくれるように、この部分に曲げ癖を付けておきました。この後で窓抜きに取り掛かりますが、連続窓にドアが少々ですから、一両あたりの工作時間はそれこそあっという間でした。
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【写真1】 屋根の曲げ癖を付け、中間車車体の外周を切り出したところ。
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【写真2】 屋根の曲げ癖を付け、先頭車車体の外周を切り出したところ。
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【写真3】 【写真2】の状態を裏返しし、窓部分の切り抜きに取り掛かるところ。
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【写真4】 中間車窓抜き中。窓隅のR部分を残して直線部分をカット。
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【写真5】 先頭車窓抜き中。同様に窓隅のR部分を残して直線部分をカット。
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【写真6】 UカッターでR部分をカットしたところ。
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【写真7】 窓を切り抜き終えた車体側板部分に内張りを接着したところ。
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【写真8】 【写真7】を表側にするとご覧のとおり。
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【写真9】 先頭車も同様に内張りを接着。
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【写真10】 【写真9】の表側。この後、はみだした内張りをカットする。
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【写真11】 内張りを終えた車体に窓柱とドア窓をケガキしたところ。
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【写真12】 窓柱とドア窓を抜き終えたところ。
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