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名古屋鉄道3300・3150系(その4) |
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コンテンツ掲載日:2006年04月17日 最終更新日:2007年02月20日 |
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◆屋上機器等の製作
下地仕上げがひとまず済んだ車体に、屋上機器等のディテールを表現する作業に取り掛かりました。
【写真17】は、3mm×3mmのヒノキ材から加工したパンタ台を車体に取り付けているところを示しています。この製作記『その4』の冒頭でふれた、パンタ台を保持するための四角い穴には、車体の内側からペーパーで裏打ちを行ってパンタ台の接着面としています。何も加工のされていない屋根の上にパンタ台を乗せるようにして接着するよりは、この方が位置決めもしやすく、そして強度面でも有利かと思います。
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【写真17】
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【写真18】では、屋上機器類の配管作業が済んだ様子を示しています。ビードのついた屋根部分に、ベンチレイターなど塗装後に後付するパーツの位置決めがしやすいように凸型形状になるように接着されたパーツにもご注目。
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【写真18】
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3150系および3300系の前照灯は、乗用車のフロントグリルのような形状のパーツを用いて、左右に配置された灯火類が一体化しているかのようにデザインされています。これは、これまでの名鉄車輌には見られなかったものとなっています。この部分は模型化する際にもハイライトシーンのひとつになると思いましたので、可能な限りすっきり美しく仕上げたいものだと考えました。そこで、この部分はパーツ自体を別工程で完成させ、車体の塗装が終了した後に取り付けることにしました。
【写真19】は、その第1工程を示しています。t0.3のアート紙を使用して、ライト部分を窓抜きと同じ要領で穴あけした後、左右のライトを結ぶようにしてコンパスの針で4本のスジを入れました。作業中の失敗を見越して、必要量よりも余分に製作しました。
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【写真19】
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次に、同じ素材を使って、裏打ちを行いました。素材同士がしっかりと貼り付いた後、やはりコンパスの針を使ってライト部分に穴を開けてやりました。【写真20】は、その時の様子を示しています。
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【写真20】
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続いて、【写真20】の状態のまま、薄めたラッカーサフェーサーで下地仕上げを軽く1回だけ行い、加工中に発生した素材のめくれや返りを取り除いてやりました。それが済んだ後に、【写真21】が示すようにパーツ本来の形に切り出しを行いました。その後、黒を吹き付けてパーツを完成させました。本ページの冒頭でも触れたとおり、このパーツは塗装が済んだ車体に後付けすることとなりました。
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【写真21】
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◆床下機器等の製作
床下機器類や伝動装置の製作・加工は、車体の下地仕上げの合間を見ながら別工程で進めていきました。
この部分に関しては、特に目新しいこともしておらず、従来の私の工法をそのまま踏襲しています。床下機器類は、エアータンクを除くすべてを自作し、1輌分ずつユニット状にして金属製床板にビス止めをしています。伝動装置はエンドウ製のMPギヤシステム(モーターはLN-14)としています。【写真22】は、3300系の下回りの様子です。手前から豊橋寄り先頭車である、ク3300・モ3350・サ3450・モ3400の順に並べられています。
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【写真22】
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【写真23】は、3150系の下回りです。こちらについても手前から豊橋寄り先頭車であるク3150・モ3250の順になっていますが、3300系とは反対側の様子が分かるように並べてみました。写真で観察する分には3300系との差異がほとんど見られないので、作業の効率化を図るため、思い切って両系列とも下回りを共通化してしまいました。写真からもその様子が分かると思います。
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【写真23】
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台車は【写真22・23】からも分かるように、日光モデル製のFS369を使用していますが、製品に付属しているボルスターアンカーの代わりに、ヨーダンパーを自作し、少しでも実物の雰囲気が出るようにしています。【写真24】は、真鍮線その他のパーツを用い、治具に載せてヨーダンパーを自作している様子を示しています。これまでは、1個1個のパーツをノギスや定規などにあてがいながら製作していましたが、今回の作業を通して、最初が面倒であっても治具を製作してこれを用いることで作業が能率化し、でき上がった部品の精度が高まることを実感しました。
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【写真24】
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本系列の内装は、先に製作した2200系とほぼ共通仕様となっています。すなわち、混雑時・閑散時を考慮したロング・クロス両シートの併用となっています。作品では、クロスシートはカツミ製のプラ椅子(シングル)を小加工して、ロングシートはヒノキ材から自作しています。【写真25】は、自作したロングシートです。最近の電車によく使われている片持ち式のシートを初めて再現してみました。本来ならば、実車に倣ってピンクの握り棒なども再現して雰囲気を盛り上げたいところですが、窓ガラス(グリーンの着色ガラス)を付けてしまうと、それがまったくと言ってよいほど目立たなくなりますので、割り切って省略しています。
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【写真25】
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【写真26】は、車体の塗装が一通り済んだところを示しています。塗装の順番は、車体表面全体にサフェーサースプレー(クレオスのMrサフェーサー1000)→屋根部分をマスキングした後にレッド(GM鉄道カラーの西武レッド)→帯部分をマスキングした後にシルバー(同ステンレスシルバー)→ふたたびシルバー(同アルミシルバー)→みたびシルバー(同ステンレスシルバー)→屋根部分のみにグレー(同灰色9号)→レタリング等を施し、再び屋根部分のみマスキングしてクリア(クレオスのスーパークリア)という順番になっています。
残念なことに、今回の塗装では、アルミシルバーの塗装に失敗してしまいました。缶スプレーの質が良くなかったためか、粒子が細かくならず、斑点状の模様を車体に残すという無残な結果を招きました。本来であればアルミシルパーとステンレスシルバーを塗り分けて、車体の部位ごとにステンレス素材の違いのようなものを表現したかったのですが、これをあきらめました。次善の策として再び車体にステンレスシルバーを吹き付けてアルミシルバーの斑点を消し、側扉の外枠を#600の耐水ペーパーで軽く研いで表情を少し変えた後に、クリアを吹き付けました。
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【写真26】
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