|
名鉄800型を作る(1)その4 |
|
コンテンツ掲載日:2006年05月24日 最終更新日:2007年02月20日 |
その1|その2|その3|<<その4
|
|
◆製作のプロセス〜(8)ディテールを取り付ける
車体の仕上げ作業は、塗料の乾燥待ちなどがあり、工程完了までに案外時間がかかるものです。
その間に何も工作しない…というのはもったいないことです。そこで、この空き時間を有効に活用し、床下器具や伝動装置の取り付けを行いましょう。
作例では、床板に厚さ1mmの金属板を使用しています。床下機器は【写真30】が示すように、エコーモデルの床下機器セットから適宜チョイスしたものを厚さ2mmのヒノキ材にそれらしく並べてユニット化し、ユニットごと2本のビスで床板に止めるようにしてあります。これは、作例が伝動機構として、エンドウMPギヤシステムを利用していること等に起因しています。
【写真30】ユニット状に取り付けた床下機器群。一番右がT車用で、左側の2つがM車用。
|
|
なお、台車のセンターピンの位置については、その寸法を【図6】に示しました。
【図6】
|
|
伝動機構については、作り手にとってそれぞれ都合の良い仕様があることと思いますから、上記はあくまで参考程度にとどめておくのが良いでしょう。
さて、製作のプロセス〜(7)で仕上げが済んだ車体にいよいよ前照灯や手スリなどを取り付けます。手すりはφ0.3の真鍮線、パンタ台やランニングボードは先述の真鍮線のほか、3mm×0.4mmの真鍮帯板、0.5mm×0.5mmの真鍮角線などから自作し、半田付けで組み立てていきます。部品の寸法ですですが、手スリは、現物合せで、パンタ台とランニングボードの寸法や取り付け位置については【図7・8】に示しました。パンタ台やランニングボードの脚にあたる部分は少し余分に伸ばしておき、車体に取り付ける際の接着しろを作るようにしましょう。ここで使用する接着剤はエポキシ系接着剤の5分硬化タイプです。
【図7】
|
|
【図8】
|
|
名鉄電車のシンボルのひとつである切り抜き文字は、【図9】に示した位置に接着しましょう。なお、作例では車体側面の切り抜き文字は、本塗装前を接着した後に、磨き出しを行い、前面幕板の切り抜き文字は、本塗装後に接着(切り抜き文字を車体にそっと置いて、ごく少量のシンナーを垂らして固着)してあります。
【図9】
|
|
エアホースやジャンパ栓など連結器周りのパーツは、車体を持ち替えたりする際に引っ掛けて破損するというアクシデントがしばしばあるので、塗装後に付けた方が無難です。
ここまでの作業が済むと、【写真31】が示すように、グ〜ンと名鉄電車らしくなってきます。
【写真31】下地仕上げが完了した車体に、パンタ周りの屋上機器類を取り付けた状態を示す。なお、パンタ台のみ、灰色1号に塗装してアクセントとするため、車体塗装後に改めて取り付ける。 |
|
◆製作のプロセス〜(9)塗装する
天気が良く風の少ない日を選び、車体と下回りの塗装を行います。この日一日は、ドキドキ・ワクワクの作業を楽しみましょう。
作例では、市販の缶入りスプレーを主に使用していますので、これに沿って解説を続けます。
缶入りスプレーは、手で触れて「ちょっと熱いかな」という温度にまでお湯で温めておきましょう。スプレーの注意書きにもありますが、これは本来、火気厳禁のアイテムです。くれぐれもスプレーを火に直接かけたり、温め過ぎたりして、ケガや爆発事故そして火災を招かないこと!
温めたスプレーは、缶圧が高くなることで、きめの細かい仕上がりが得られ塗料を缶に残さずに最後まで使い切ることが可能になります。
作例では、屋根と床下がダークグレー、ベンチレイターやパンタ台が灰色1号(これらは、塗装後に後付けしましょう。)、車体色は作例の810号が西武レッド、809号が旧日本軍暗緑色(三菱系)を使用しています。
車体の塗装の順番ですが、前面および側面を先に行い、ここをマスキングした後に屋根部分…という順番で行うと能率的でしょう。
運転室部分のアルミサッシやアンチクライマーは面相筆を用いて、息を止めながら慎重に塗っていきましょう。運転室扉のアルミサッシは【写真32】の示すように、銀で塗装した別パーツを貼り付けると良いでしょう。
【写真32】運転室側扉のアルミサッシは、窓枠部分を銀で塗ったピースを製作して、別パーツ化する。
|
|
客用ドアの帯板は、作例ではカラス口で銀のラインを入れて表現しています。カラス口の使用に関しては、得手不得手もあることでしょうから、マスキングして銀を塗るなり、銀テープを貼るなどして表現しても良いかと思います。【写真33】では、完成間近の車体の様子を示しています。切り抜き文字の磨き出しも忘れないようにしましょう。
【写真33】塗装を終えた車体。この後、窓ガラス等を接着し、晴れて完成となる。
|
|
◆製作のプロセス〜(10)再びディテールを取り付ける〜そして完成へ
エアホースやジャンパ栓など、製作のプロセス〜(8)で取り付けを見送ったパーツを取り付けます。ジャンパ栓から伸びるケーブルは、エナメル線(作例では壊れた洗濯機のモーターから分解したものを調達!)を接着して表現しています。窓ガラスは塩ビ板から切り出したものをゴム系接着剤を用いて接着します。
車体の前後に連結器をビス止めし、車体と床板をドッキングさせて、ついに一輌の電車が誕生しました。
さて、いよいよ画竜点睛です。前面を飾る方向板および列車種別板は、ワープロソフトを使用して作成しましょう。作例では、MS-Word2000を使用しています。モ809を例にしますと、文字のサイズは方向板が8pt、列車種別板が6ptで、使用しているフォントが両者ともHG丸ゴシックM-PROとしています。これらを出力して前面に貼り付ければ、晴れて完成となります。(完)
|
|
参考資料〜名鉄800型・タイプ別パーツリスト
印刷(A4サイズ)用のデータをダウンロードする。
|
分類 |
パーツ名 |
メーカー・品番 |
価格 |
モ809 |
モ810 |
モ811 |
S40代 〜 |
S50代 後半〜 |
S40代 〜 |
S50代 後半〜 |
高運転台 S60代〜 |
屋上 |
ガーランド型ベンチレイター(片側) |
エコーモデル・No.725 |
420 |
● |
屋上 |
250W前照灯 |
エコーモデル・No.1613 |
336 |
● |
屋上 |
ヒライ器(E) |
エコーモデル・No.1640 |
126 |
● |
屋上 |
2灯式シールドビーム |
エコーモデル・No.1644 |
263 |
|
● |
|
● |
● |
屋上 |
PT-42J型パンタグラフ |
カツミ |
2,730 |
● |
屋上 |
屋上配管止め(2列) |
マッハ模型 |
840 |
● |
床下 |
KATOカプラーセット |
KATO・7-601 |
672 |
● |
床下 |
細密ビス(ナベM2×3mm) |
エコーモデル・B-2031 |
105 |
● |
床下 |
細密ビス(ナベM2×6mm) |
エコーモデル・B-2061 |
105 |
● |
床下 |
ジャンパー栓受(E) |
エコーモデル・No.1605 |
263 |
● |
床下 |
ジャンパー栓受(F) |
エコーモデル・No.1606 |
263 |
● |
床下 |
電車用床下器具セット(B) |
エコーモデル・No.1618 |
1,260 |
● |
床下 |
自連用胴受(B) |
エコーモデル・No.1655 |
231 |
● |
床下 |
日車D-16型台車 |
日光モデル |
1,155 |
● |
床下 |
車輪付きMPギヤ・電車用A |
エンドウ・#6201 |
5,775 |
◎ |
床下 |
MPボルスター(Eセット) |
エンドウ・#6315 |
504 |
◎ |
床下 |
ユニバーサルジョイント・タイプII |
エンドウ・#6505 |
525 |
◎ |
床下 |
金属床板用センターピン |
日光モデル |
263 |
○ |
床下 |
台車まわり止め |
カツミ |
420 |
○ |
床下 |
キャノンモーターLN-14 |
エンドウ・#5616 |
3,150 |
◎ |
床下 |
モーターホルダーHIセット |
エンドウ・#6305 |
420 |
◎ |
床下 |
エアホース左 |
フクシマ模型・No.3025 |
630 |
● |
床下 |
エアホース右 |
フクシマ模型・No.3026 |
630 |
● |
車体 |
旧型テールライト |
エコーモデル・No.1614 |
315 |
● |
車体 |
ワイパー(7種)108ケ入 |
マッハ模型 |
1,260 |
● |
車体 |
切抜数字 名古屋鉄道書体(Jエンド・サイド) |
だるまや |
945 |
● |
塗料 |
鉄道カラースプレー(西武レッド) |
グリーンマックス・No.27 |
630 |
|
● |
|
● |
● |
塗料 |
Mr.カラー(暗緑色・三菱系) |
GSIクレオス・J124 |
525 |
● |
|
● |
|
|
塗料 |
鉄道カラースプレー(国鉄灰色1号) |
グリーンマックス・No.9 |
630 |
● |
塗料 |
鉄道カラースプレー(ダークグレー) |
グリーンマックス・No.35 |
630 |
● |
塗料 |
鉄道カラー(銀色) |
グリーンマックス・No.8 |
263 |
● |
塗料 |
Mr.カラー(スーパークリアー) |
GSIクレオス・C181 |
158 |
● |
塗料 |
Mr.サーフェイサー1000 |
GSIクレオス・B505 |
420 |
● |
塗料 |
ラッカーサフェーサー |
マッハ模型 |
420 |
● |
※価格は、平成16/2004年2月時点において店頭等にて確認したもの。
【凡例】
●:各仕様必須 ◎:動力車仕様の場合に必須 ○:非動力車仕様の場合に必須
その他に用意するもの
<内張り・ウィンドシール等車体のディテール素材>
アート紙(t0.3)…いさみやロコワークス製車体製作用方眼紙、エナメル線
<補強・前面部分屋根素材>
ヒノキ材(3mm×3mm)、ホウ材(t3)、ホウ材(t5)
<手スリ・パンタ台・ランニングボード素材>
真鍮線(φ0.3)、真鍮帯板(3mm×t0.4)<窓ガラス>塩ビ板(t0.2) |
|
このページのトップへ
|
|
その1|その2|その3|<<その4
|