◆実車および作品解説
名古屋市交通局3000形は、1977年に開業した鶴舞線用の車輌です。従来、名古屋市交通局の路線は電圧直流600ボルト(第三軌条方式)で1,435mmゲージがスタンダードとなっていましたが、同線は名鉄豊田線および犬山線との相互乗り入れ運転を前提としていたため、これと決別。名鉄線同様の直流1,500ボルト(架線方式)1,067mmゲージの規格となりました。名古屋市交通局としては初のセミステンレス構造の車体を用い、冷房装置も搭載しました。地下鉄線車輌への冷房装置搭載はほぼ同時期に登場した神戸市交通局1000形とともに日本初のケースとなりました。
待望の相互乗り入れ運転は、まず1979年7月より名鉄豊田線(当時「豊田新線」)と開始されました。さらに14年が経った1993年5月より名鉄犬山線と接続し、豊田市−名古屋市−犬山市を走り抜ける大動脈にまで成長しました。
登場当初は4輌組成でしたが、1993年5月からスタートした名鉄犬山線との直通運転をきっかけに6輌組成に改められています。また、この際にモデルチェンジした3050形も登場していますが、いまなお主力形式として同線で活躍しています。
名古屋市交通局初のステンレス電車は、東海地方初でもありました。ラインカラーは青。当時の名古屋地下鉄と言えば菜種色というのが定番であったため、大変新鮮なものに映りました。また、20m車体は小型車輌を見慣れた目には大変大きなものに感じられました。
車体表面は、コルゲート板がびっしり張られており、当時のステンレス車輌の特徴がよく出ています。この表現には、ICテープを等間隔に張ることによって表現しています。
鶴舞線のラインカラーであるブルーは、グンゼのキャラクターブルーとスカイブルーの調合、シルバーは、グリーンマックスの鉄道カラープレー「ステンレスシルバー」を使用しました。屋根と床下は、同「灰色1号」です。屋根を塗装する前にスーパークリアーを吹いて、シルバーの塗膜を保護しておきました。 なお、実車のラインカラーは樹脂パネルを車体に取り付けるような恰好で表現されており、今ではその退色が激しく、あたかも京浜東北線のスカイブルーのような色になっています。今の姿しか知らない世代の方が目にすると奇異に映るかもしれませんが、私自身は少年の頃に目にした鮮明なラインカラーが忘れられず、作品でもこれを再現する形となっています。
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