豊橋鉄道7300系 2/3



◆車体製作方法など

ボディー自体は写真を見ても分かるとおり、連続窓の車体ですからケガキと窓抜きは、それこそあっと言う間に終了し、その後は箱になった車体がしばらくの間、工作室に鎮座することになりました。
最大勢力の一般色車ペーパー車体の製作法は、まず、車体の一番外側になる部分の切り抜きを行うことから始めています。最近ではもっぱら、側板と屋根の継ぎ目処理の簡略化が図れるペーパールーフ構造を採用しています。側窓と客用あるいは乗務員用ドアの部分を切り抜いた後は、車体の裏側に来る面に内貼りとして、もう一枚少し薄目の厚さの紙を接着します。いわゆる段窓やドアー窓は内貼りを接着した後にケガきと切り抜きをしています。そうすることで、外貼りと内貼りの収縮差による窓抜きの「位置ずれ」を防いでいます。妻板も原則として同様の方法で作ります。側窓の表現では、車体と窓ガラスの一体感・平面感を表現したいため、窓ガラスを塗装後に外付けで接着するようにしました。そこで、内貼りの窓の部分は、外板の窓より一回り小さいサイズで切り抜きをし、はみ出した部分をガラスの糊シロのスペースとしています。もちろんここで、連続窓を垂直方向に支える窓柱も忘れずに切り残しておきました。
車体が箱形になり、サフェーサー仕上げを経てツルツルのボディーになっていく過程は、結構楽しいものです。人によっては地味でイヤだとおっしゃる方もいる方もいるでしょうが…。私は下地にマッハ模型のラッカーサフェーサーを適度に薄め、筆塗りで車体の内外ともによく塗り込んでいます。何度かの下塗り→乾燥→磨きによって、頼りなげだったペーパー車体も、金属やプラに近い手触りと強度を持つようになってきます。
床下機器は、従来ペーパーと角材による自作またはレジンコピーを主体としてきましたが、抵抗器など旧型車特有のパーツ作りを省力化したかったため、モーター搭載車に限って、ソフトメタルパーツを利用しました。それにより、床下にぶら下がるモーターは、省スペース化を図るために、コアレスモーターのLN14を使用しました。その他の車両については、いつも通りの自作で対処しています。なお、駆動方式としてMPギアを採用しています。実物がつりかけ駆動なので、ノイズが少々ほしいところですが、これでよしとしました。床板の素材には金属を使用し、T車M車ともにウェイトを兼ねるようになっています。

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◆カラフル!エクステリア

色違いの離合渥美線移籍後は、先述のように、3つのカラーパターンが出現したため、そのすべてを模型化してみました。同線では、朝夕のラッシュ時には4両編成での運用が頻繁に見られます。当然ながら、同形式で色違いの電車の併結運転が時として行われ、沿線住民やファンの目を楽しませてくれます。模型の世界でも、その辺の楽しさを味わいたいと思うのは当然でしょう。
実物の台車は、名鉄時代にオリジナルのD型台車から、すべて新製台車に振り替えが行われているため、模型では類似台車を流用しました。台車の大きさやホイールベースの長さが気になりますが、目をつぶりました。
実物は、運転室の屋根上に無線アンテナを付けています。その形態は編成によってバラバラですが、作品では今後の保守上のことを考え、全て取り付けを省略してしまいました。
以下、簡単ですが、各カラーごとに解説していきましょう。

パターン1「赤+クリーム」

渥美線の新しい標準色です。実物に出会ったところ、名鉄本来の赤よりも気のせいか濃いような気がしました。しかし、模型ではあまり細かいことにこだわらず、赤はグリーンマックスの西武レッドを、クリームはクリーム1号を塗りました。言うまでもなく同線では、この塗り分けが最大多数となっています。

パターン2「黄色+若草色」

第1のイベント対応車として登場し、「なのはな号」とネーミングされました。全国に先駆けて菜の花が咲く沿線に、ピッタリのカラーリングだと思いますが、いかがでしょうか。種車の連続窓の持つ明るさと、沿線の花咲く風景がうまくマッチングしています。塗装変更によって、車両の魅力がオリジナルよりもうまく引き出された好例といえるでしょう。模型では総武線のイエローと山手線のウグイス色の組み合わせで塗ってみました。イエローはもう少し明るいものを塗っても良かったかもしれません。

パターン3「青色+白色」

第2のイベント対応車です。渥美半島の青い海をイメージしたような塗装で、「なぎさ号」と名付けられています。登場当初は、鮮やかなブルーでしたが、どうも褪色の早い色のようです。実物をロケハンした時は、スカイブルーに近い色になっていて、色の選択をどうしてよいか迷ってしまいました。弟とも話し合いながら、いろいろ考えた結果、プラモ店で彼が見つけてくれた、「エヴァブルー」と呼ばれる青色に、白3号の組み合わせで塗り分けてみました。色鮮やかな「なぎさ号」に仕上がってくれたと思いますが、いかがでしょうか。
走行シーンを見ていると、どこからか「椰子の実」のメロディーが聞こえてきそうです。

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