豊橋鉄道7300系 3/3



◆完成!そして電車たちの夢

色違いのご対面車体が塗り上がってからの作業は、神経を使う作業が連続します。窓ガラスや連結器まわりの機器が取り付いて電車らしくなっていくのは見ていて楽しいことですが、反面、何かの拍子でボディに傷や接着材が付かないか、いつもヒヤヒヤしています。今回は10両中、ディテールの多い先頭車が8両を占めていますので、私にとっては、ある意味で辛い作業でした。
塗装後の作業で一番のヤマ場となるのは、連続窓の接着です。窓の大きさにスッポリはまる大きさに切り出したエンビ板に、烏口でHゴムと窓柱を描いておき、強力型の両面テープでボディーに外付けで接着しました。この方法は正面の運転室部分の窓にも用いています。この方がボディーの内側からガラスを接着するよりも、はるかにスッキリした仕上がりになります。

鳥の目で見ると・・・1999年9月4日の夕刻、車体と下回りをネジ止めし、正面方向幕と愛称を描き記した楕円形のシール貼り終えて、私の7300系は完成しました。
かつて、渥美線は豊橋と渥美半島の先端である伊良湖岬を結ぶ計画がありました。しかし夢は叶わず、鉄路はほぼ中間点の三河田原で足止めされてしまいました。もしも、鉄路が延びていたならば、今頃は、休日ごとにマリンスポーツを楽しむ若者たちで賑わい、あたかも江ノ島方面へ向かう小田急線のような光景が見られたかもしれません。私には、渥美線を走る車両達がそんな日を夢見ながら走っているような気がしてなりません。レイアウトをゴトゴト走る車両達もまた、叶うことのなかった夢について何かを語りかけてくれるような気がします。(おわり)

※この記事は、『TRAIN』2000年2月号に掲載された原稿を模型の作者ならびに原稿の執筆者である私が、このホームページ用に再度加筆・修正を行ったものです。

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